2022年度ITC埼玉総会議事録

■ 2022年5月度埼玉IT経営研修セミナー兼ITC埼玉総会議事録 ■

日時: 2022年5月21日(土) 13:00~17:00
場所: RaiBoC Hall(市民会館おおみや)集会室1
    JR大宮駅東口徒歩3分 大宮門街4F
主催: ITC埼玉
後援: ITコーディネータ協会
参加人数:ITC埼玉会員 22名、非会員ITC 9名、一般 7名、講師 2名、計 40名

資料︰①「中小企業のDX推進に向けて」
   (澁谷様ご講演資料)
   ②「DXへの様々な取り組み方と国・IPA施策の使い方」
   (境様ご講演資料)
   ③ Compass 2022春号 
   ④ IPA DX Square他パンフレット
   ⑤ 本会アンケート

■ 開会宣

 (司会︰宮村 13:00~)
・資料の確認

■ 幹事長挨拶

 (幹事長:古川 13:05~)
・最後に総会
・ITC埼玉2001年取得者が結構いる
 2002年止まり木制度が活動の起源。日進のソフトウエアセンターと連携。
・20周年一つの区切り
・幹事新メンバー加わった
・ITC協会渋谷会長、IPA境DX推進部長の講演 密度の濃い内容

■ ご講演1:「中小企業のDX推進におけるITCの役割」

(13:10~14:40)

 講師:特定非営利活動法人ITコーディネータ協会
                会長 澁谷 裕以 様

◆講師紹介
・東京海上システム部門44年間

◆初めに
・古い方の会館に行ってしまった

◆DXとは何か
・DigitalよりもTransformが大事 さなぎから蝶になるくらいの大きな変化を言う
・デジタル技術を生かして新たな顧客価値を創出

◆中小企業におけるIT(デジタル技術)活用の実態
・中小企業の労働生産性2003以降変わっていない
・中小企業のITは8割がた部分最適止まり 財務会計領域限定
・経営者が現場作業の問題に課題認識なし 
・効率経営へ2通りのルート 1人材投資 2コスト削減・付加価値向上

◆中小企業のDXをどのように進めていけば良いか
・ITCの伴走支援により確実にステップを上ること

◆国のDX認定要項およびデジタルガバナンス・コードについて
・DX認定 要綱が良い道しるべ

◆ITコーディネータの伴走支援によるDX推進の事例紹介
・熊本の運送業 「横便箋」のシステム化 業務の可視化
・ITC埼玉もぜひDX認定企業を
・企業内ITCが所属企業を認定化
・経営者講座

◆ITコーディネータ協会の活動報告
・2021年度 ケース研修 新以降少し増えた 資格者数も微増
・中小企業白書 伴走型で支援する専門家が必要
・各方面とネットワーク活動 順調
・ITCの認知度 アンケート調査 東京、大阪、愛知、福岡 400社 2回
 1回目 37.8% 2回目49.6%
 IT戦略を一緒に考えてくれる人16.8%→23.3%
・不祥事 リカバリー進んでいる
・理事の選任手続き 改善
・ITC倫理規定を改定

◆今年度活動計画
・ITCの注目度上向き 地方銀行、中小企業の中で資格取得の動き
・ビジネス指向の届け出組織との意見交換会
・プロセスガイドライン 前回改定2018から4年
 DXはじめITを取り巻く環境変わっている
・認知度アンケート 継続 知ってもらう 

◆まとめ
・DXで大事なのはTransfer 変革ためにデジタル技術をどう生かすか
・さいたまのDXをけん引してほしい

◆質疑
Q:やっとこういう時代が来たという感じ。
 昔、特殊運輸会社支援したが、個別最適から部分最適くらいまでしか支援できなかった。
A:今後も支援してください。

Q:企業内IC 世の中一般の企業のどうこうとして、兼業・副業への理解度はどうか?
A:最近は大企業でも取り組みが進んでいる様子。
 富士通 3年前は初めて考えるような感じだったが、いまは会社を挙げて大改革中
 東京海上 最近はすぐやる。ジョブ型人事制度

Q:デジタル化が先か?経営課題の改善が先か?
A:デタイゼーションを軽視してはいけない。プロセスは簡単ではない。
 大切なもの 毎日買いに来てくれる客に安く? DXは違う
 その会社ならではの価値を提供

Q:P.11 4つのステップについて、途中のステップ、特に第2段階はDX実現の前に必ず到達する必要があるのか?
 中小企業はただでさえ経営資源が限られるので第2段階は特にハードルが高い
 それよりも、ある1つの商品/サービス限定した、一点突破でDXに取り組んで、
 成功したらそれで得た経営資源を、第2段階など次のステップに向けるというようなやり方でも良いのでは?
A:できるならそれでも良い。DXに第2段階は必須ではない。
 ただし、その後に第2段階に取り組むことが重要。

■ ご講演2:「DXへの様々な取り組み方と国・IPA施策の使い方」

 (14:55~16:20)
 講師:独立行政法人情報処理推進機構(IPA)
    社会基盤センター DX推進部長 境 真良 様

◆講師紹介
・東大 経産省 2018現職

エンタープライズシステムは得意でない

◆デジタルトランスフォーメーション(DX)について
・DXとは何だろう?
・2018 DXレポート1 2025年の壁
 局地的なバズり
・既存システムを新しい環境で動かすことは可能だが、それをやるべきでない
 経営者に金を出させる
・コロナ後 レガシー企業文化からの脱却
 テレワークとDX? DXが息を吹き返す
・DX推進ガイドラインは変わっていない
 DXガイドライン 結局、具体的には何も言っていない
 顧客や~ 業務そのものや~ →企業としてやるべきことそのもの

◆個社のDXと産業社会のDX
・ウーバーイーツ=「出前」ではない 「購買代行」サービス
 デジタル技術の使用はウーバーの部分だけ
 店舗が極小の努力 店舗・顧客に恩恵 配送業者も
 値札のデジタル化 張り替えなくてよい
 店舗現場 ネットショップ 在庫管理 商材調達 →DXではない? 議論が紛糾する
・デジテイゼーション、デジタライゼーション メリットはある
・出前システム → 意味がある
・自社でITを導入は、必須ではない 

◆DXにまつわる確実性、不確実性、そして投資的性質
・「ゑびや」社の例
 まずPOSの導入からや→データ分析に格闘→AIの活用→構想から5年で売上5倍、コンサルをビジネスとして出来るように
・アマゾン 自社のシステムに余るIT投資→余った分を貸してみた→クラウドがNo.2事業に
 →どちらの例も偶発的
・DXの成功は運の要素が大きい
 →DXは出来てしまうものであり、やろうとするものではない
・DXは「選ぶべき道」なのか?
 「What」を検討するべき 「How」から検討するとうまくいかない

◆DXに、合理的に、向きあい、近づくために
・DXに取り組むためのシステムのあり方
 「満たすべき要件」
 →当たり前の話しかない
 マイクロサービス 疎結合API は必須
・企業とITシステムの関係性
 内製化→苦手、人がいない、ITに掛ける金は無い
 →内製化に準拠した対応
  ヤタガラス人材 →チームで
  内製化人材 ITベンターとチーム
  改善方法が見えない →改善すべき課題
・ポイント
 丸投げしない、言いなりにならない
 納得するまで対話、納得したら柔軟に 対話がない企業が多い DX成功企業は対話多い
・ITシステムは、機械ではなく「工場ライン」「組織」
 外界の変化や業務の在り方に合わせて変わる必要がある
 →ITシステムの固定化は業務見直しの放棄
・内製化すると何かあった場合の対応が早い
・偶然の要素が大きいが「王道」はある
 「満たすべき要件」の構造が望ましい
 データの可視化 やるべき
 →正しいデジタライゼーションで可能性は開ける
 コスト重視が高じて「安物買いの銭失い」になってはいけない
・DXに向かった正しいデジタライゼーションはやるべき

◆IPAの施策の使い方
・DXは終わらない 推進サイクル「OODA」
・DX認定制度
 DX企業認定、DX銘柄指定
 認定を受けるとDX減税 DX銘柄指定には認定必要
 ロゴマークが使える
・DX推進指標 自己診断 代理診断はNG 経営者に手を動かさせるのが目的 社長に書かせる
 DX推進指標を提出すると認定が楽になる
・プラットフォームデジタル化指標 IT専門家と一緒に
・DX実践手引書(ITシステム構築編)
 他に、経営編?
 「はじめに」、「第1章」は経営者にも読んでもらう
・共通プラットフォーム構築の推進
 水道標準プラットフォーム構築
・DX Square
・DX白書2021 

◆まとめ
・いろんなmissing ringがある API連携 胴元がいない
・色々な課題もある
 →ユーザー企業を正しい方向に導く必要がある
 平仄合わせ UNICODEの利用

◆質疑
 残り時間が少ないため、質問があればアンケートに記載ください。(司会)

■ ITC埼玉2022年度総会

(16:20~17:00)

◆研修 汐見幹事
・2019年の最終回以降、コロナで開催できない回があった。
・2021年からWEB開催が可能になった。昨年度3回WEB開催。
 WEBのほうが参加者が多め。参加しやすいのが理由と考えられる。
 ただ、WEBの場合は4時間も聞いていられないので、1コマのみの開催。
 満足度は全般的に高い。
・2022年度は6回開催予定。集合を予定しているが、状況によってはWEBになる可能性もある。

◆会員管理・サイト管理 村上幹事
・新規入会は1名(直近で更に1名入会)
・非会員登録者の方が伸びている
・ログイン回数を見ると会員の半数は活発に受講
 非会員もリピーターが多い →是非入会をお勧め
・入会にはメリットしかない
・入会したい方はホームページより会員登録をお願いしたい
 新規登録後、入会承認の後に会員申し込みが可能
・ログイントラブルの回避方法を知っておいていただきたい

◆会計報告 土橋幹事
・研修の講師は薄謝でお願いしている。資料は白黒、会場は公共施設の安いところを使うようにして低コストで運営している。
・リモート研修は一律1000円なので、赤字にならないかハラハラしたが、 昨年度会計としては辛うじて黒字達成。
 少しは残して、安く受講できる仕組みを安定運用できるように進めたい。

◆NPO法人埼玉ITコーディネータの活動状況 土橋理事長
・先週土曜日総会終了。
・現会員数は32名である。この1年で6名増えた。
・昨年立ち上がった埼玉県のDX推進ネットワークに参画要請
・支援機関からの依頼が複数入り活発に動き始めた
・要請に十分応えられるように、組織内で人材育成の取り組みを始めた。
・既存の事業である社会福祉法人5団体も7~8年継続中
・さいたま市シニアユニバーシティ講座講師派遣 今年度は24回を予定。複数講師で対応予定。
・それ以外に、NPOの会計を通らない会員直接契約に結びつく案件も多数受けている
・興味があれば是非声をかけてください。

◆幹事改選
・今年度は幹事に新メンバーが加わった。
・幹事長は古川が継続。ご覧の体制で進めさせていただく。

■ 閉会

 (宮村)
・本日、情報交換会は開催しません